間違う可能性を減らそう
記事を全部見ている人はあんたそれ何度言えば気が済むんだと思うかもしれませんが、不注意で ESP8266 を焼いてしまって後悔しました。それからほどなく電源部を持たせないとだめだなと思うようになり、こんなものをありあわせの部品で作りました。
外部電源から 3.3 V を作るヘルパ部品です。この写真では 29 行目に 3.3 V が出力されます。LD33 という拾い物の三端子レギュレータを載せています(PDF: データシート)
dropout voltage が 1 V 以上もあるぞ…と特性があまり良くないので繊細で不安定な ESP32 には使いませんでしたが、近い未来届く ESP8266 に使うには十分かなと、可変電圧直入よりはましかなと思って使う予定でいます。
いました。
発振しとるぞい
ギェエエェエエーーーー波打ってるーーーー!!! 気まぐれでみてみたのですが、まーーー、見事に発振していますね。
ぼくは築城せずに(オシロを買わずに)電子工作エンジョイするぞと決めたのですが、そんなの誰がどうみても強がりですよ。必要な時に無いのは困ります。そ~んなあなたにはこれ! 初公開が 2012 年なので相当有名だとは思いますが
>九州工業大学が公開している Arduino を使った簡易オシロ!!<
nano 互換機は ハイレゴーなら 330 円なので Arduino オシロ用におひとつ用意するのも手だと思います(Amazon というか中国からの並行輸入はハズレを引けるかを楽しむゲームみたいなものなので欲しいものを一つだけという買い方は、時間と成果のバランスが悪すぎますね。野暮な話ですが)。
犯人は誰?
少し危ないですがオシロにつなぎっぱなしで改良作業を行いました。首実験で部品の選定をすれば確実だからです。危険ですけどね。
まず出力のパスコンを外してみました。途端に電圧はフラットになったので、理由は分からないけれど原因は出力用パスコンでした。ただ不思議な事にこのセラミックコンデンサ以外のセラミックコンデンサを押し当ててみても発振が起こらないのです。これに固有の問題というか、極端に相性が悪かったのではと思います。手持ちのセラコンはすべて基板から取り外して持っている物なので*1 無理な力をかけて壊していたのかもしれません(セラコンは曲げに弱い部品です)。
*1 表面実装部品の再利用はリスクが大きすぎます。 と正論を振りかざすも正規のルートからリール単位で買うほどガチ勢ではないので、あまり気が進みませんが困った時のハイレゴー頼みでこれ系統は持っておきたい気はあります。
「無くても動く ~バイパス・コンデンサ~」がパスコンを説明する時によく使われる文句ですよね。でも IC やマイコンの回路安定のためには必須であって、しかしながらパスコンがあることによって発振が引き起こされたという皮肉な事実もあって。これだと「下手な事をするくらいならない方がマシ」と結論する人もいそうです。いやー、難しいですね。コンデンサ。
測ってみよう
次の画像はいろいろと問題があるので比較とは呼ばない事にします。見えない何かを見ようと画面を覗いてみました。
発振の原因になったセラミックコンデンサ
同等かと思われる他のセラミックコンデンサ
んーー、、素人目には差がうかがえないんですよね…
※ ESR という表記が出るので Cs(直列)で測定しましたが Cp(並列)で測るものかもしれません。使い方は説明書に書いてありますが、使う事に関しての難しい事はまだ理解できていません…
一応:測定は昔はもっと安かったらしいデレーのやつです(DE-5000)。
修正したよ
新たに出力を任せたのはタンタルコンデンサです。マーキングのある方がプラスだとか、リード部品では +++ とあるのはプラスではなくマイナスの事もあるだとか、電源部で使われる重要な役割を担っているのにショートモードで壊れるだとか、話題に事欠かない子です。優れた LDO レギュレータではないのでセラミックコンデンサで問題はないのですが、タンタルコンデンサという本気感や改良感が出て僕はよいと思います。
電源と行(ブレボがブレボたるこの 5 穴 1 行の部分は何と呼ぶのでしょう?)は並行ではないので、自由な場所に供給できるようにワイヤ化しました。
それからダイオード、LED なども無い最小構成なので、極性を間違えないように申し訳程度ですが GND な色をマークしておきました。間違えないでくださいね(←それが悪いとあと何度言えば分かるのか)
欲を言えば、出力先にまたパスコンが必要かもですね。パスコンの飽くなき追及。
そうなるともう、見た目を気にしなければ各ブレイクアウトボードの IC やマイコンの電源端子付近に 0.1 μF 程度のパスコンをおひとつ、直で付けた方が話が早そうです。ESP32 の方は自由だったので付けましたが、Waves の ESP8266 ブレイクアウトボードの方にも付けたくなります。そう考え始めるとそれもう電源基板乗せた方が早いんじゃない?とゴチャゴチャになってくるのでやめておきます。
余談1:悲痛な叫びは聞こえる
三端子レギュレータの発振周波数は可聴領域にある可能性が大きいです。自分は PC の Mic 端子って使わないなぁ、ただ空いてるならオシロじみた事できないかなぁと試してみた事があるんですが( UI は実現可能かは考えずテキトーーーに作ったので見なかった事にしてほしいです)、愛用の LM317T を使った簡易可変電圧電源君の発振を見付けることができた経験があります。
分かりやすい説明がしにくいですが必ず発振するわけではありませんでした。
特定の電圧付近、最大まで振り切って徐々に下げていく途中で発振する事が多かったです。電圧調整のボリュームがそのまま可変発振周波数みたいになっていました。1k あたりで発振しているのではなく、1k あたりに周波数がくるように調節したという事です。電流を流しすぎて PC の MicIn 壊してしまったので今となってはこの拙作マイク オシロはお蔵入りになっていますが、プログラム自体は waveIn、waveOut、FFT と言ったありふれたブロックを組み合わせれば誰にでも作れる簡単なものです。パソコンは中古の安かったやつなのであちゃ~くらいにしか思いませんが、MicIn はそもそも回路かドライバが直流電圧をキャンセルするようにできているのでオシロにはならないんですよね…。
※波に低周波があるのが気になると思いますが、これはサンプリング理論のアレではなく単に 50 Hz が入っているだけです。何が単にだよ、というのには具体的には答えられませんが、座っている場所か何かが原因で北海道の電源周波数 50 Hz が混じるんです。Arduino のアナログセンサも GND で Lo を保たなければものすごい電圧が加わり、その周波数は 50 Hz です。壁のねじから 21 ACV くらい出ていたりします。よくわかんないですがテスタ(CD732)では 50 Hz が出るんです…。漏電ですか…
発振は聞こえないくらい高い周波数帯でも起こりますが Arduino オシロなら可聴領域よりはもう少し高い周波数まで拾えるはずなので、電源が発振していないか見てみる価値はあります。ちなみに ESP32 に載せた電源回路は発信していなかったので(改造が面倒なので)良かったです。
余談2:偽造(模造と呼ぶべきかもしれない)
FT232RL の代わりにあるような CH340 の偽造まであるとかすごい世界だと思います。この写真が言うには、どうも本物は 1 ピンを表すマーク(へこみ)の直径がこんな小さくなく、一目でわかるほど大きいようです。
でもねぇ…真偽はどうなんでしょうかねぇ…仮にこれが真実だとすれば、手持ちの nano 互換機は偽造ですけど、でもまぁ格安互換機ですからねぇ…
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